江戸川放水路で時々発生する青潮とは? 青潮が東京湾や千葉北東エリアで発生する仕組みと流れ

江戸川放水路で2021年7月に青潮が発生しました。この青潮ですが釣果に大きな影響を与えることが知られています。

ではこの青潮はどのような仕組みで発生するのでしょうか? 青潮発生の流れを整理してみました。

青潮が発生する仕組みと流れ

青潮の一般的な発生の仕組み

青潮は一般的には以下の流れで発生します。

  1. 生活排水の流入などで海水が富栄養化
  2. 栄養化した海水にプランクトンが大量発生
  3. プランクトンが死滅して海底に沈殿
  4. バクテリアによって死滅したプランクトンが分解
  5. 分解の過程で海中の酸素が大量に消費
  6. 海中の酸素が大量されたために酸素が極端に少ない海水が発生
  7. 通常、この水塊は潮流の撹乱により周囲の海水と混合されて分散するが、水の流れがない内湾ではこの力が弱いため分散されずにそのままに
  8. 酸素が少ない水中で嫌気性細菌が増殖
  9. 増殖した嫌気性細菌の硫酸還元菌が大量の硫化水素を発生
  10. この硫化水素を大量に含んだ水塊が湧昇すると、水中の酸素によって硫化水素が酸化され、硫黄或いは硫黄酸化物の微粒子が生成される
  11. 微粒子はコロイドとして海水中に漂い、太陽光を反射して海水を乳青色や乳白色に変色し青潮が発生

東京湾で青潮が発生する仕組み

東京湾では有機物や栄養塩, りん・ちっ素などの排水が流入し上記の1から5のプロセスが発生します。通常は酸素の少ない海水は底に溜まっています。

ところが東京湾に北東の風が吹くと表面の海水が沖に流されるため結果として底に溜まっていた酸素の少ない海水が表面に浮き上がってきてしまいます。

そして東京湾に青潮が発生することになります。

青潮が千葉県でよく発生する場所は?

東京湾に北東の風が吹くとということもあり例えば平成30年度では市川・船橋・幕張・千葉中央港にかけて青潮が発生しています。

青潮の千葉県の発生頻度は?

千葉県のHPによると過去5年間の発生頻度は平均4回程度です。また発生している季節は6月から9月と水温が上昇する季節に限っています。

青潮が発生するとどうなるのか?

青潮が発生すると以下のような現象が起きます。

  1. 海水が乳青色や乳白色に変色する
  2. 魚や貝は酸素が足りないため死滅
  3. 腐った卵のような匂いがする

魚は泳げるので酸素が足りているエリアに移動できるかもしれませんがほとんど移動できない貝類はたまったものではありません。

また魚でも大きな距離を移動しないハゼ等も青潮には弱い生き物と言えるでしょう。2012年に江戸川放水路で青潮が大規模に発生した時に死滅したハゼのハゼは数百万匹とも言われています。

青潮が発生したらどうしたらいいのか?

青潮が一度発生すると自然に収まるのを待つしかありません。先程の発生状況を見て分かる通り発生日数は数日程度です。