江戸川放水路の水質はどうなっているのか?
川の水質を測る指標BOD値
だとすると、気になるのは江戸川放水路の水質です。僕の友人は江戸川放水路の水質に対してかなり懐疑的で、絶対に一緒に江戸川放水路に釣りに行こうとはしません。
川の水質を測る指標としてBOD値と呼ばれるものが利用されています。
BODとは生物化学的酸素消費量のことで、水中の汚れ(有機物)は、微生物により分解されますが、その時に消費する酸素の量を生物化学的酸素消費量(BOD)と言い、BOD の値が大きければ水が汚れていることを表します。つまり、この数字が少ないほど水は綺麗ということになります。
数値では、3が一つの目安となっています。3以下であれば平均より綺麗な川ということになり、逆に3以上であれば平均より汚い川ということになります。
江戸川のBOD値の調査場所と水質のイメージ
環境庁が実施している江戸川の水質検査ですが、以下が毎年の調査場所と大体の水質のイメージです。見て分かる通り、江戸川の水質は上流ではAランクとなっていますが、栗山浄水場取水口から江戸川水門まではBランクに落ち、江戸川水門から河口までは旧江戸川も江戸川放水路もCランクに落ちています。
江戸川放水路の調査場所は東西線の線路の下あたりなので、まさにハゼ釣りの中心的な場所です。
江戸川放水路のBOD値の推移
それで、東西線の線路の下で毎年調査されているBODの数値ですが、毎年の数値で見ると上下を繰り返しています。過去10年をグラフにすると、こんな感じです。3以下が合格ラインだとすると、合格ラインを超えたり下回ったりを繰り返しています。
年 | BOD平均値 (mg/L) |
---|---|
2009 | 2.7 |
2010 | 2.7 |
2011 | 3.7 |
2012 | 4.9 |
2013 | 4.0 |
2014 | 4.0 |
2015 | 2.0 |
2016 | 2.5 |
2017 | 2.8 |
2018 | 4.4 |
江戸川放水路のBODと他の河川のBOD値の比較
以下が平成29年度に環境省が調査したBODの抜粋情報になります。
比較しやすいように、近隣の川である利根川、境川、多摩川、そして最も綺麗な川である高知県の四万十川、数値が最も悪かった佐賀県の福所江の数字も入れています。
都道府県 | 水域 | 類型 | BOD平均値 (mg/L) |
---|---|---|---|
千葉 | 江戸川下流 | C | 4.4 |
茨城・千葉 | 利根川下流 | A | 1.1 |
東京 | 多摩川中・下流 | B | 1.6 |
東京 | 境川 | C | 2.4 |
高知 | 四万十川 | AA | 0.6 |
佐賀 | 福所江 | E | 9.1 |
こうしてみると、江戸川の水質は最も数値が悪い福所江よりは綺麗ですが、決して綺麗とは言えません。